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チェロとピアノと室内楽漬けの中、レッスンメモや練習メモ、合間に日々の徒然を綴ります。
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白内障手術 記録用(2)
2022-03-30 (水) | 編集 |
その1はこちら
その1,では 左眼手術前から術後1ケ月、セカンドオピニオンに至るまでの経緯を記録しました。



【3月3日-】 再手術を決めるまでと「見え方」補足
※入れ替えるレンズの選択肢
  <レンティスコンフォート>
  <テクニスアイハンス>
【3月14日】 レンズ決定
最後にお伝えしたいこと

参考リンク集




【3月3日-】 再手術を決めるまで


主治医(執刀医)にメールでいろいろ相談。
丁寧に疑問点には答えていただきました。

まず、OCT所見の違いについて。
術前OCTで網膜の薄い部分はあったが、眼底所見上、緑内障ではないと判断。
私が術後に依頼して実施した視野検査でも、網膜感度の低下はあるものの、緑内障と診断するような視野欠損はなし、少なくとも進行した緑内障は無かったと。

白内障以外の病気がある場合は、多焦点レンズの使用はより慎重になる必要があるものの、私の術前視力検査では矯正で1.0出ていたので、多焦点レンズでも視力が出る可能性が高いと判断したとのこと。

この眼科の言うところの「視力」ってのが曲者ですよね。

確かに術後の視力検査(輪っかの切れ目やひらがなを当てるやつ)で、
左眼は裸眼で1.0ぐらい出てるんだそうです。

※豆知識:あの輪っか、「ランドルト環」っていうんだそうですね。


でもね…
それは 判断しづらい中で結構時間かけて「当てて」ただけですから。
確信持って即答できるレベルが主観的な「視力」と感じます。

背景がちらちらまだらに見えるなかのターゲットを時間かけて見てる隙間で「左、、、かな?」みたいに答えての「1.0」

そして 日常で何か読むとき、たとえばスマホでメール読むときには、「点」ではなくて「面」で見ますよね。


左眼単眼で 「面」で文章を見た時に、
1行の中央部分にピントが合わせると 直下や直前の行はぼやけるんです。
同じ行の端っこもにじむ感じ。
なので 非常に見づらいわけ。


脳の処理に時間が余計にかかっていると感じます。
これは半年、1年たつと脳も慣れるの「かも」しれません。
(補筆: 術後1ケ月を過ぎ、もうすぐ2ヶ月という現在は当初よりだいぶ慣れてます。)

アパーチャ機能のついたスマホカメラ使ったことある人は、
あれで 桜の木でも撮れば分かると思いますが、
よく見ると結構不自然な背景などのボケ方してますよね。
あれにちょっと似てるかな。



※入れ替えるレンズの選択肢



■主治医の所見では、

「完全な単焦点以外入れられないというほど 左眼は悪くない」
→このため視力(視力検査値)としてはそれなりに出たり、
レンズの選択の幅もあるのが余計悩ましいところ

「他の多焦点もいけるかもしれないが単焦点系で多焦点寄りのレンティスコンフォートかテクニスアイハンス」

■セカンドオピニオン所見では:
「テクニスアイハンスを勧める」。レンティスはあり得るが不確定要素が拭えず積極的には勧められない。
ここでいう不確定要素というのは、「当たれば最高だけど外すと今の悩みも解決しない可能性」という感じ。


セカンドのクリニックの症例でレンティスを入れて、「やや近方を目標にたが、裸眼視力が遠方1.5・近方1.2p」という結果が出た症例もあるらしく悩ましい。

一方で執刀医クリニックのレンティス症例で、まれに『ブレて見える』といういわゆる『ゴースト症状』を感じる方が一定数いる。
この人達は視力は出ても『でも、見えにくい』と言たりする,、というのを聞くと、パンオプティクスでかなり「にじみ、ぼやけ、グレア」を感じている自分としては、ゴースト症状に当たる確率が高そうな気がして心配になります。

ちなみに、セカンドの先生へは紹介状持参で受診したので、セカンドの先生から執刀医に詳しく所見を送ってくださいました。
この先生も超多忙なのに、診察終了後の夜遅くや休診日などに、それはそれは丁寧にメールでの相談に乗ってくださいました。
また、執刀医のほうも、同じくお疲れのところ、きちんとメールのお返事を何度もいただき、どちらにも感謝しかありません。

私としては どうせ再手術は保険効かないんなら、このままセカンドのクリニックでやってもいいのではないか、という考えが頭をよぎりましたが、セカンドの先生のお考えとして、やはり入れ替え手術は、執刀医がやったほうがベター、ということでした。
私の眼が当日の散瞳点眼薬で完全に瞳孔開かず、レンズの端がどのように入れられているかの確認が出来なかったこともあります。 「(執刀医も)入れ替え手術症例が豊富で特異そうですから」と勧められ、結局執刀医の先生にメールで再手術決意の旨を伝えました。(実際 執刀医も手術スキルは相当高そうです)


そこからは「じゃあ レンズはどうするか」です。
両先生間でもメールのやりとりはあったようですが、選択肢は単焦点系のレンズとなります。

術前のわたしの不勉強で、単焦点レンズの最新事情についての情報が決定的に不足していたため、検討対象から外れていたのですが、単焦点系でありながら焦点距離の幅を持たせてある多焦点ライクなレンズがあります。

・レンティスコンフォート(2020年)
・テクニスアイハンス(2021年)


の2つです。
このどちらかが候補になります。


※入れ替えるレンズの選択肢




  <レンティスコンフォート:オランダ/参天製薬>


単焦点系でありながら2焦点のようなレンズ(加入度数 +1.5D)で、保険適用レンズです。乱視用は2020年11月に発売されました。
【焦点深度拡張型】(低加入度数分節型)というタイプです。
2つの単焦点レンズを組み合わせた構造らしい
です。
原則として『遠く』と『中間(約1m)』にピントが合うとされていますが、手術時にどのあたりに焦点を設定するかで、もっと手元寄りが見えるようにもできるそうです。
焦点を2つに分ける影響で見え方の鮮明さ、色の濃淡(コントラスト)の感度はわずかに低下すること、人によってはゴーストを感じるなどが不確定要素。

どんなレンズかということについては こちらのHPなどが割と分かりやすいです。

■福岡県にある「みやざき眼科さん」HP(→ LINK

■横浜市にある「やまぐち眼科さん」院長ブログ(→ LINK

■東京都にある「諸星眼科さん」HP症例集より(→  LINK

■東京都立川市にある「森山眼科さん」HPの取り扱いレンズ一覧(→  LINK

※この他、最後尾にも私が眼内レンズについて分かりやすいと感じた参考リンク集をつけておきます。



  <テクニスアイハンス:ジョンソン&ジョンソン>


こちらは更に新しい単焦点系レンズで、2021年秋にJohnson and Johnsonから発売されました。
【焦点深度拡張型】(EDOF)というタイプです。
やはり見える範囲が単純単焦点より広いとされる保険適用レンズで、レンティスが加入度数 +1.5Dに対してこちらは +0.5D。
瞳孔が広がる夜間での見え方が他社より優れているレンズという話です。

・遠方から中間距離まで見える広い明視域

・レンズ中央部分に緩やかに近方度数をおよそ0.5D程度付与

・6次収差を利用して中間距離の視力を向上

・遠方視力は単焦点レンズと有意差なし

・A定数、レンズのデザインなど単焦点レンズと同じ

・従来の屈折型、回折型多焦点レンズに当てはまらない、高次収差を利用した新しいデザイン

・グレア・ハローが従来の単焦点IOLと同程度

・トーリックは-6Dまで補正可能

乱視強制力がものすごいですね。
ただし流石に手元は老眼鏡が要りそうです(T_T) 
この「手元」がどの程度かが問題ですね…
スマホぐらいまではOK、となることを医者には希望伝えてます。
(文庫本レベルが老眼鏡、という。)

こちらもやはり「何センチの焦点しか見えない」ということではなく、
ある程度 近方に設定するなどの調整は出来るようです。

このあたりが眼科医の経験値と技術の見せ所ではないでしょうか。

>従来の単焦点レンズの中心部約2.0mmに、+0.5Dのなだらかな加入部分を設けることで、遠方から中間距離まで明視域を広げることに成功(→  諸星眼科さんHPより)

東京都にある「諸星眼科さん」HP症例集より(→ <https://morohoshi-ganka.com/opeex/894>→ LINK



【3月14日】 レンズ決定>


セカンドの先生は テクニスアイハンス推し。
理由は「レンティスでは不確定要素があるから。
執刀医はおそらく当初レンティス推しだったと思いますが、それだと「賭け」をすることになってしまう、ということをセカンドの先生からも所見で送られて来たのだと思われます。
受診時にいろいろ説明はありましたが、煮え切らないので、
こちらから「先生としては はっきりいってどちらを勧めますか?」と質問したところ、「アイハンス」と。
それでもう腹をくくって、アイハンスで決めました。

レンティスで最良の結果が出ると ほぼメガネいらずという症例もあるようなのですが、
保守的な選択でアイハンスとなると、近くの視力には不安があり、今もそこが気になっています。

執刀医には、日常生活で一番使う時間の長い距離が 35cm- 1m ぐらいの範囲であり、そこがメガネなしだと一番ありがたい、ということは伝えてますが…
近くに合わせると 遠方に合わせたときより見える距離範囲は短くなるようなのですよね。

もうひとつ 悩ましいのは 右眼は手術中止したため、左右不同視は避けられない点です。(いわゆるガチャ目)

右眼の手術についてどうするかは左眼の視力が安定してからにしたい。
安定には最低3ケ月、できれば半年以上。

その間 メガネとコンタクトでやっていくことになります。

ただ考えようによっては、右眼が残っているのだから 左眼が 遠方視力不足になったとしても 両眼視力ではなんとかなるのでは、という期待もできます。
実際 今現在も、パソコン作業や新聞を読む時は、例の仮でつくったメガネが必要です。

単焦点系に入れ替えた場合、最悪でもメガネでちゃんと矯正できるわけですから、今よりマシではないかしら。

そのように、つとめて楽観的に考えるように頑張っています。



最後にお伝えしたいこと


そして もう再手術は来週に迫ってきました。
やはり不安です。

でもそういうときは 「右眼があるから」、、、 と自分に言い聞かせましょう・・・

その意味でも私はこれを読んだ皆さんには、「左右同時手術」は基本的にはお勧めしません。

「白内障手術のスーパードクター」というキャッチフレーズに流されないでください。
宣伝をやたらしているクリニックが優秀なわけではありません。
(この辺、インプラント手術と似ています)

左右同時手術は別に誰でも出来る、ということを忘れないでください。
ただレンズを入れるだけなら そこら中に眼科医はいます。
今は医療機器の進歩もあり、レーザーガイド付きで正確に手術できるような眼内手術用の機器などを使って、熟練医師でなくても熟練医師並の普通の手術は可能なようです。
(だから町医者でも白内障日帰り手術を宣伝するクリニックが激増)

選ぶなら、
・レンズ入れ替え症例も経験豊富であること、
・HPやブログで常に最新状況や詳しく症例を発信していること、
・その内容が自慢話ではなく、専門知識とデータに基づいた詳細なものであること、
・取り扱いレンズの種類が豊富であること
・未承認レンズの症例も持っているなど
・うまくいった話しかしない医者でないこと、

そして 「眼鏡のない夢のような視力」 は夢見ないこと(ココ大事)

よくメーカーの説明画像で「単焦点のイメージ」「多焦点のイメージ」と 出されている画像に騙されないこと。

レンズの種類は国内未承認も含めて、非常に豊富だけど、
どこの眼科でも全てを扱っているわけではないこと。
ですので、希望のレンズを扱っているクリニックに行かないとなりません。

大学病院(慶応や慈恵、北里、医科歯科大 など)と連携があるところも良いです。
未承認レンズでも 先行使用出来たり、最新の情報が入ってきます。

そしてインフォームドコンセント

>気が済むまで面倒がらずに全ての疑問に答えてくれる先生。

スーパードクターを看板にしているところはありますが、よく見ると常駐ではなくて、
手術日だけ他院と掛け持ちでやってくる。
事前診察や検査はすべて下見の別の先生がやる。

こういうところでは、到底ひとりひとりの患者に寄り添うなどは物理的に不可能で、
どうしても事務的な対応になりがちです。

画像やデータの読み取り能力が高いこと
事前診察の画像などを見てどう判断するかも、その医者の経験値と力量次第です。
ガン検診でもよくありますが、
同じ画像を見ても 疾患を発見できる医師と 気づかない医師がいますよね。
そういうところに違いが出るんです。

また、 眼内レンズについては「マイクロモノビジョン」「ブレンドモノビジョン」などといって、左右で差をつける事をやる場合がよくあります。
片方に入れてみた結果、感想によって、残る片方にどのようなレンズ、あるいはどのような焦点距離のチューニングをして手術するか、を計算するのです。  最終的には両目で見たときにどのぐらいよく見えるかが大事なので。

※マイクロモノビジョン: 1種類のレンズで少し度数の差をつける
  ブレンドモノビジョン: 2種類のレンズを組み合わせて使う


両目同時手術をしてしまいますと、こういった術後の調整も不可能になります。

それって怖くありませんか?

私も「同時でなくてよかった」と 心底思いましたもん。

腕のいい先生は忙しく、診察時に全てを聞けないかもしれませんが、
そういうとき今回 どちらの先生もメールで丁寧に応対してくださいました。 
そういうことをしてくださるか。

術前の不安や疑問点だけでなく、
術後の見え方の不安についても面倒がらずに寄り添って下さるか
いざとなったときは、レンズ入れ替えについてのベストな提案能力があるか。

いろんな要素があります。

もうひとつ、  私の場合は、術前視力は他の感謝さんに比べたら悪くなかったので、
その分 かえって術後の見え方に衝撃を受けた面があると思います。

圧倒的多数の患者さんは 白内障の自覚症状もあって、
ほとんど見えなくなってたりするんじゃないかな。
その状態ならどんなレンズを入れても前より見えるようになるので、満足度は高いはずです。

なので、もとの視力がいい人ほど慎重に!
そして自分がどういう見え方を選択したいのかをきちんと伝えられる程度の事前勉強をすること。

・今回 私が10日ぐらいかけてネットで調べまくった時に、参考になったサイト一覧


映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(ブログ)


ドクターKAZU(名古屋のアイクリニックの医師が自分で手術を受けた体験談)
多焦点眼内レンズ体験記1)

(Lentis Mplus x toric 体験記)

視能訓練士である私の白内障手術体験
PRECIZON というレンズの体験記

単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの見え方の比較
多根記念眼科病院のHP。ここで掲載されている多焦点レンズと単焦点レンズの見え方比較イメージは、比較的 実際のものに近い印象があります。 多焦点のイメージを見るとわかるように、全体がそこそこ見えるだけで、どこにもシャープにピントは合ってないのがおわかりかと。
余談ながら、ここでも取り扱っている「ALSAFIT」というレンズには非常に関心があります。
当然自由診療のレンズなのでお金はかかりますが・・・  
将来右眼手術するときには選択肢のひとつに入れたい。
他にも、「ミニウェル」「ミニウェルレディ」についても調査中です。

でも多分、この世界も日進月歩なので、待てば待つほどよいレンズが開発されると思います。
その意味でも緊急でない人は急がないほうがお得です。

なにしろ入れ替えられない代物ですから・・
(術後すぐを除く)

・・・・しかし、患者が徹底的に勉強していかないと、医者から適切な情報も引き出せない、ということは よーく分かりました。
受け身でも構わないのは、
「進行した白内障でほとんど見えない」って状態の患者さんだけかも。
(何入れても現状より満足できます)

眼鏡やコンタクトすれば見えてる人にとっては、 
その状態より劣化しないためには どういう選択肢があるのか
ということぐらいは、一通り調べて、
関心を持った症例とレンズのリストをつくって、質問するぐらいはやったほうがいいです。

多焦点レンズのアルゴリズムの種類も抑えておいたほうがいい。
パンオプティクスは回折型、アイハンスは深度拡張型
更にこれらの改良型やバリエーション、プログレッシブ(累進焦点)型(ミニウェルなど)
他にもいくつか大分類があるので、
アルゴリズムごとの大雑把な共通点や特徴は知っていたほうが話がスムーズです。




このあいだ大学の先輩と電話で話していて、彼も最近手術したというの
 「レンズ何入れました?」 って聞いたんです。
そしてたら 「知らない!」と(笑)

黄斑なんとか症を起こしてて、それとセットの手術を慈恵でやったらしいのですが、 
医師には「どのぐらい見えるようになりたい?」としか聞かれず、 
彼もいいかげんで
「そりゃもう、よく見えるように!」
と答えたらしい。
すべておまかせコースです。

ゴルフもばっちり、とのことですけど、 
話を聞いた感じだと たぶん それこそレンティスみたいなの入れたのではと思います。
保険適用でなかったら レンズ種別知らない、では済まされない筈ですし、 わりと全方向 見えるようなことを言ってましたし、 
でも「そういわれてみると 手元は見づらいなあ」 と。

でも 生涯通して眼鏡拒否の人で、 見えなくても眼鏡しないで押し通して来たそうですから、今回も「 しない! 」 とあっさりしたものです。

そのぐらいアバウトなら、 ほんとどうにでもなるんだろうなあ、と逆に感心しました。

まあ 気質的な問題はあると思いますので、 こだわらない人はおまかせコースでいいと思います(^^;



リンク集


眼内レンズ 参考リンク集



みなとみらいアイクリニック:他焦点レンズの取り扱い豊富で、主だったものの特徴が羅列してある
https://www.minatomiraieye.jp/hakunai/hakunai_iol_list.html

医新会HP: 多焦点レンズ(各方式)、単焦点レンズについて かなり分かりやすく説明
全国有数の眼科医療設備を誇る関西の眼科医グループ
https://www.ocular.net/treatment/cataract/lens.html

(随時追加していきます)
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