2015-09-16 (水) | 編集 |
3楽章が何かと難しい。
どう弾くか、的な。
経験的にも(5番サラバンド同様)この手は「難しい」のだ、、、
ピアニストとチェロの解釈もたぶん 細かいところが違う感じ。
チェロ、室内楽(例のシュトゥットガルト室内管の首席のVaのH先生) 、ピアノ室内楽(H先生の奥さま) と3人の素晴らしい音楽家の方に全楽章とも見ていただいた。
H夫妻(ピアノ、室内楽)には随分と細かい事まで指導いただいた。
(H先生レッスンに ピアノ師匠まで同席して下さったという贅沢ぶり。 追加料金なしw)
3楽章についてはピアノ室内楽レッスンで最初に言われたのが、
「旋律で見てはダメで全てを和音で見なさい」 というもの。
この「旋律で弾いてはいけない」は 常に言われる事だ。
ピアノレッスンで美智子先生にそのように指導を受けてきた。
でも、バロック・古典では特にそうかも。
私のある師匠の意見によると、
「和声感があるタイプとは、バロックと古典をがっちり勉強した人にしか居ない」 なのだそうだ。
それだけ、バロック・古典は和声で運ぶことを第一にするべきなのだろうか。
バッハでは、抑揚をどうつけるか、は小細工に過ぎないので、迷ったら基本に戻れ、と メールで相談した別の師匠に言われた。
レッスンで弾いた3楽章の音源を「うまくいきませーん」と泣きついて聴いていただいたのだが、お答えはこのようなものでした(><)
キビシイ!
★総評
・二人とも曲に対するアプローチがまったく間違っている
・16分の羅列に惑わされている
・小細工が先行して大きな流れがない。
・16分が二つずつの塊にしか聞こえない。
★練習方法
・まず、抑揚なしで真っ平らに弾けるようにする(一度できただけではダメ)。
・次に1拍ごとの和声の分析(最初の一拍目HDisEGの基本和音はEGHでDisは和声外の経過音・・という風に)
・次に経過音を抜いた和音だけを並べて弾いてみる(和声聴音の楽譜みたいに)
・和声の移り変わりに対する、大きな抑揚を考える、 そうすればもっと長いスパンでの抑揚が見えて来る。
★チェックポイント
1拍ごとの主音を把握しているか?
小細工するなら 【1拍ごとの和声を分析した結果の主音】を中心に持って行って抑揚をつける。
【例】
最初の一拍目(pf) HDisEGの音形ならEが主音。 すなわち、シレミソのミがこの4つの音の頂点。
VCが入る3拍目はACEの和音で主音はA、Gisは経過音。 したがって3つめのAを大切に弾く。
ここで重要なのがピアノのbass。 bassがEという事は、この和音の第二展開形
これを意識できれば、おのずとピアノの1.2拍目と3.4拍目のEは性格が変わる筈。
bassが主音でないところがとても多い曲だから とても不安定に聞こえるが、 それをカバーするには、主音を中心に持って行って抑揚をつくる事が重要。
この師匠は無意識にこんなことは常に出来る方ですが、プロでも出来ない方は沢山いるのだそうですね・・・
ましてや私。 これまで感覚的にぼやんととらえていた和声の流れを、ちゃんと考えてみる事にしました。
最後に、「やってみなされ、もっと大きな音楽ができるはずです。」という励ましのお言葉。
なので、やりました! 30分かかった。 しかも子猫が鍵盤の上に乗って動かないなどの障壁と闘いながら(笑)
(私はあの和声記号が苦手で、すべてコードネームでやっている、、、、、汗)
一応、それをここに紹介します。 くだんの師匠にはこれをお見せして「合ってる」とのお言葉をいただいたので…

パート譜に転記したもの

まとめますと、まずは一切のダイナミクス抜きでフラットな状態で次の事だけを考えて弾くこと。 そのうえで:
★第1優先:主音を大切に弾く
意識の問題なのだが、具体的には「聴衆にわからない程度に長めに弾く」 など。
★次点: アポジャトーラや セブンスを意識する
★高度: テンションコードは強め、解決和音は緩め、やわらかく。絶対強く弾かない。
次点以下は DG先生やM先生、H先生などのレッスンでいつも指導されているポイントを私が加味してみたもの。
基本(主音)が出来たあとの味付けとして意識していること
=======================
※コードネームが分からない人へ:
大文字が主音の英名です。 小文字でmとあればmollの和音。 maj7などとあるのは増7です。dimは減和音。
セブンスと減6のみは反映させてみましたが あとは 和音外の音ととらえました。
=======================
最終小節の1拍めは C#dim6か?と一瞬迷いましたが、前後の響きの流れを考えると おそらくFisではないかと。
BASS音が主音でないと、ぼーっとすると引っかかるのかもしれません・・・
★★13小節目以降
でも、13小節目以降は ちょっと例外的な部分だと思います。
スコア(クリックすると開きます) を見てください。
ここは4小節、 pfがソロをやり、VCは Eの音をずっと弾いているところ。
和音は基本、Em Am を繰り返して進行し 4小節目前半にセブンス(=テンションコード)。
ピアノの左手の◎のついてる音。同じ位置の右手の音を見てください。
この動きが音楽のキャラとして重要に感じます。
個人的にはこの下降音階系を骨組にしてみたい。
下降音階は気持ちが下がってゆく、どこかでアガりたい緊張感が密かに溜まってゆきます。
そこに4つめのテンションコードが!
テンションコードだから強めに弾いていい。
3-4拍目は強くなくていいと思うけど。 あ、でも 4拍目は Em7ですね。
セブンスが 次のチェロの登場をサポートする感じ。 「ここで出なくていつ出るんだ」的な響きが感じられる。
Dの音がその役割を持ってるわけだ。
もっと穿ってみれば、4拍目の、右手2音目の Dis (Emaj7) 4拍目の左手のD と半音ずつの下降。
E-Dis → E-D → Cis(底) となって、 VCの出(G)が必然となる。
そうなれば嫌でも ピアノはこのCisの音を重く弾きたくなる、筈。
Cisの音は VCのGへの踏み台だもの。
色んな音源を資料として聴きましたが、3楽章で悩んでもう一度チェックしなおしました。
ひとつ、この最後の部分で面白かったのが、アルゲリッチのピアノ。
聴いてみてください。
彼女が13小節目以降で、 何を浮き彫りにして表現しているか。(2'07あたりからです。)

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どう弾くか、的な。
経験的にも(5番サラバンド同様)この手は「難しい」のだ、、、
ピアニストとチェロの解釈もたぶん 細かいところが違う感じ。
チェロ、室内楽(例のシュトゥットガルト室内管の首席のVaのH先生) 、ピアノ室内楽(H先生の奥さま) と3人の素晴らしい音楽家の方に全楽章とも見ていただいた。
H夫妻(ピアノ、室内楽)には随分と細かい事まで指導いただいた。
(H先生レッスンに ピアノ師匠まで同席して下さったという贅沢ぶり。 追加料金なしw)
3楽章についてはピアノ室内楽レッスンで最初に言われたのが、
「旋律で見てはダメで全てを和音で見なさい」 というもの。
この「旋律で弾いてはいけない」は 常に言われる事だ。
ピアノレッスンで美智子先生にそのように指導を受けてきた。
でも、バロック・古典では特にそうかも。
私のある師匠の意見によると、
「和声感があるタイプとは、バロックと古典をがっちり勉強した人にしか居ない」 なのだそうだ。
それだけ、バロック・古典は和声で運ぶことを第一にするべきなのだろうか。
バッハでは、抑揚をどうつけるか、は小細工に過ぎないので、迷ったら基本に戻れ、と メールで相談した別の師匠に言われた。
レッスンで弾いた3楽章の音源を「うまくいきませーん」と泣きついて聴いていただいたのだが、お答えはこのようなものでした(><)
キビシイ!
★総評
・二人とも曲に対するアプローチがまったく間違っている
・16分の羅列に惑わされている
・小細工が先行して大きな流れがない。
・16分が二つずつの塊にしか聞こえない。
★練習方法
・まず、抑揚なしで真っ平らに弾けるようにする(一度できただけではダメ)。
・次に1拍ごとの和声の分析(最初の一拍目HDisEGの基本和音はEGHでDisは和声外の経過音・・という風に)
・次に経過音を抜いた和音だけを並べて弾いてみる(和声聴音の楽譜みたいに)
・和声の移り変わりに対する、大きな抑揚を考える、 そうすればもっと長いスパンでの抑揚が見えて来る。
★チェックポイント
1拍ごとの主音を把握しているか?
小細工するなら 【1拍ごとの和声を分析した結果の主音】を中心に持って行って抑揚をつける。
【例】
最初の一拍目(pf) HDisEGの音形ならEが主音。 すなわち、シレミソのミがこの4つの音の頂点。
VCが入る3拍目はACEの和音で主音はA、Gisは経過音。 したがって3つめのAを大切に弾く。
ここで重要なのがピアノのbass。 bassがEという事は、この和音の第二展開形
これを意識できれば、おのずとピアノの1.2拍目と3.4拍目のEは性格が変わる筈。
bassが主音でないところがとても多い曲だから とても不安定に聞こえるが、 それをカバーするには、主音を中心に持って行って抑揚をつくる事が重要。
この師匠は無意識にこんなことは常に出来る方ですが、プロでも出来ない方は沢山いるのだそうですね・・・
ましてや私。 これまで感覚的にぼやんととらえていた和声の流れを、ちゃんと考えてみる事にしました。
最後に、「やってみなされ、もっと大きな音楽ができるはずです。」という励ましのお言葉。
なので、やりました! 30分かかった。 しかも子猫が鍵盤の上に乗って動かないなどの障壁と闘いながら(笑)
(私はあの和声記号が苦手で、すべてコードネームでやっている、、、、、汗)
一応、それをここに紹介します。 くだんの師匠にはこれをお見せして「合ってる」とのお言葉をいただいたので…


パート譜に転記したもの

まとめますと、まずは一切のダイナミクス抜きでフラットな状態で次の事だけを考えて弾くこと。 そのうえで:
★第1優先:主音を大切に弾く
意識の問題なのだが、具体的には「聴衆にわからない程度に長めに弾く」 など。
★次点: アポジャトーラや セブンスを意識する
★高度: テンションコードは強め、解決和音は緩め、やわらかく。絶対強く弾かない。
次点以下は DG先生やM先生、H先生などのレッスンでいつも指導されているポイントを私が加味してみたもの。
基本(主音)が出来たあとの味付けとして意識していること
=======================
※コードネームが分からない人へ:
大文字が主音の英名です。 小文字でmとあればmollの和音。 maj7などとあるのは増7です。dimは減和音。
セブンスと減6のみは反映させてみましたが あとは 和音外の音ととらえました。
=======================
最終小節の1拍めは C#dim6か?と一瞬迷いましたが、前後の響きの流れを考えると おそらくFisではないかと。
BASS音が主音でないと、ぼーっとすると引っかかるのかもしれません・・・
★★13小節目以降
でも、13小節目以降は ちょっと例外的な部分だと思います。
スコア(クリックすると開きます) を見てください。
ここは4小節、 pfがソロをやり、VCは Eの音をずっと弾いているところ。
和音は基本、Em Am を繰り返して進行し 4小節目前半にセブンス(=テンションコード)。
ピアノの左手の◎のついてる音。同じ位置の右手の音を見てください。
この動きが音楽のキャラとして重要に感じます。
個人的にはこの下降音階系を骨組にしてみたい。
下降音階は気持ちが下がってゆく、どこかでアガりたい緊張感が密かに溜まってゆきます。
そこに4つめのテンションコードが!
テンションコードだから強めに弾いていい。
3-4拍目は強くなくていいと思うけど。 あ、でも 4拍目は Em7ですね。
セブンスが 次のチェロの登場をサポートする感じ。 「ここで出なくていつ出るんだ」的な響きが感じられる。
Dの音がその役割を持ってるわけだ。
もっと穿ってみれば、4拍目の、右手2音目の Dis (Emaj7) 4拍目の左手のD と半音ずつの下降。
E-Dis → E-D → Cis(底) となって、 VCの出(G)が必然となる。
そうなれば嫌でも ピアノはこのCisの音を重く弾きたくなる、筈。
Cisの音は VCのGへの踏み台だもの。
色んな音源を資料として聴きましたが、3楽章で悩んでもう一度チェックしなおしました。
ひとつ、この最後の部分で面白かったのが、アルゲリッチのピアノ。
聴いてみてください。
彼女が13小節目以降で、 何を浮き彫りにして表現しているか。(2'07あたりからです。)
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