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チェロとピアノと室内楽漬けの中、レッスンメモや練習メモ、合間に日々の徒然を綴ります。
平均律崩しのピアノ調律?
2012-11-27 (火) | 編集 |
うちのペトロフ君、4年前からT先生に見てもらってますが、
22日に半年ぶりの調律(とタッチ調整)してもらったあと、
A-durのソナタでの響きがどうも気に入らず
再度来ていただきました。。(♭系は気にならなかったんですけどね)
気になったのは主として上音域2オクターブ分ぐらいのエリアでした。

最上音域の一部のキーに単弦唸りが出ているのを説明してもらった。
これは、ピアノは3弦あるのだが、その内の一部の弦に出る唸りのこと。
ただ、これはスタインウェイなどでも出ているもので、ヤマハなどだともっと酷いそうだ。 
 
 
うまく他弦と唸りを相殺できることもあるが、どうにもならないこともある、とのこと。 
ピアノだけのお客さんはそこまで耳が敏感でなくて、気づかない人も多いので、あえて指摘しないそうだ。(言われるとそればかり気になりだすから)
 
 「●●さん、耳良すぎるよ。たぶんヤマハなんか弾けないよ」
って言われて喜んでいいのか、どっちかというと不便で困る気がするのだが。
だってベヒだのの超高級ピアノ買う予算なんかないもーん。


その流れでベヒシュタイン本社での話を聞かせてもらったが、ベヒでも単弦唸りゼロの品質の個体は、数年に1台しか発生しないんだそうで、そういうのが作れた時は、外部には販売しないでベヒ本社に温存するのだそうだ。
で、どうするかっていうと、そういう「優秀なピアノ」はベルリン・フィルなどに納品することになっているんだって(・・;)
 

 で、巷でたまに言われるNYスタインウェイと独スタインウェイのこともついでに質問してみた。
違いは木材の湿度。
NYのは販売地域を北米に限定して製造しているので木材の湿度を5%でつくっているが、独は全世界用なので7%なのだそうだ。それでNYのやつのほうが「コクのある音」だと言っていました。
クラウディオ・アラウはNYのを使ってますよ、と言っていた。
へえええ。

ピアノ界のフェラーリ、FAZIOLIのことも聞いてみた。
4,5年前にFAZIOLIさん(社長)とイタリアで会食したそうだ。元が家具屋だそう。 
素晴らしいピアノ、ただしイタリアらしいものすごく明るい音、とか。「ぜひこんど弾いてみて下さいよ」って言われたけど、恐れ多くてねえ。 
 
あっ 相手も私が絶対買うわけないとわかってるから、かえって気楽にできるってこと??
 

 
 4年前に40万払って田中さんに整音してもらったうちのペトロフ君。
(スタインウェイやベヒは工場で整音して出すが、ペトロフはしないで出すから割安に買える部分はあるみたい。)

 すごい説明を省略していうと、整音って、ポーンと音を出して押さえたままにした時に音のカーブの山のでき方を調整して一定の型に揃える感じみたい。
 其の時は、アクション一式外して持ち帰って作業して、最後の仕上げをうちでお弟子さんと一緒に作業してたのを見学したけど、響板になんか塗ったりいろんなことするらしい。


 …グランドへの欲望はあるけど、部屋で5重奏できなくなりそうだからなぁ、と思っていたら、今のPETROFの上級グレードへのリプレイスを勧められた。
それも超お得な条件で。(今のとの差額90万ぐらいでね)
去年から何度か勧められてたんだけど…  
1つ上のモデルからピアノ自体の構造が異なるため、全然いいですよ、って。
こんど、工房に何度か通って弾かせてもらう予定だけど…
 
PETROFは、その甘いこっくりした音色に惚れて買ったピアノ。
スタンやベヒには手が出ないけどこれぐらいなら買えたしね。
こないだ来たリコーダ青年は、「リコーダーの音を邪魔しないピアノ」と褒めてくれましたが。
 

本当は、住宅ローンの借り換えしたり内入れしたり、
11年目の自家用車の買い替え貯金したりしなきゃいけないのに、
何にもしないで音楽につぎ込んでいる悪妻です。老後が不安だーーー


http://www1.odn.ne.jp/~cbz49420/petroftxt11.htm


T先生の調律では、平均律崩し、っていうのが持論なんですよね。
アンサンブル前提で調整する方なんです。
 
具体的には、オクターブのピッチを微妙にずらしてあり、5度が綺麗に響くようにしています。
だから、オクターブを弾いた時は普通の調律のピアノみたく、かちっとひとつにはならないです。
慣れない人は「狂ってるんでは」って思うようですが、
音の広がりを出すために、わざとある種の唸りを創りだすのだそうです。
整音してあれば、音を出して一定時間経過のうちの響きのカーブにより、美しく響くようにしてある。

 
あと、最高音部のオクターブあたりは、ドイツ方式とかいって、高めピッチにすると言っていました。
そこは和音には使わず、旋律にしか使わないという前提だからなのだそうです。
 
 
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